浅野美帆子さん童謡コンサート感想

ソプラノ歌手浅野美帆子さんの童謡コンサートがひまわりの郷で開かれたので、聴きに行った。舞台と観客が一体になった和気あいあいとしたコンサートで非常に楽しめた。また、オペラ歌手の高音域の音の美しさ声量の豊かさに驚かされた。

実は浅野美帆子さんはリコーダー仲間のお嬢さんで、名前だけは以前から知っていたが、今年正月に放送されたNHKのニューイヤーオペラコンサートで準主役級として名前がテロップで流れたときは、実力のあるオペラ歌手であることを知り驚いたものである。

童謡コンサートは浅野さんの地元の横浜市港南区のひまわりの郷で毎年開かれているもので、今回で16回目を数えるとのこと。おとなのためのとのコメントが付いているがこれは童謡だけでなく、後半にオペラのアリアなど、大人向けの曲目が用意されているためでないかと思う。確かにオペラのアリアだけでコンサートを構成すれば、地元の一般の人達には少し敷居が高くなってくるので、これはクラシックフアン以外の人にも楽しめる工夫でないかと思う。

今回はバリトンの友清崇さん、ピアノの鹿野千里さんを加えた三人で行なわれた。最初は童謡コンサートらしく浅野さんが「青い目の人形」「かもめの水兵さん」の童謡を、友清さんが「砂山」など北原白秋の歌曲を3曲歌われた。友清さんが普段歌わない曲と言っておられたが、確かに童謡などでは、オペラ歌手の実力が50%も出せない感じである。

次によこはま開港150周年に寄せてということで「港町十三番地」「川の流れのように」など横浜に関連したポピュラー曲が4曲歌われた。喉がほぐれてきたのか、歌によるのか声量が豊かになってきた感じである。歌にもよるがポピュラー曲をオペラ歌手が歌ってもなかなか良いものである。

第2部はみんなで歌おうということで、「赤い靴」「赤とんぼ」など4曲を歌詞カードが配布され皆で歌った。その中で「どんぐりころころ」のオリジナル曲は歌詞が2番までしかないが、岩河三郎が3番の作詞されているとのことで紹介されていた。なかなか良い歌詞である。

後半は港から港世界を巡るということでハワイの憧れのハワイ航路など、フランスの愛の賛歌、ウィーン我が町、ハンガリーのヨイママン、イタリアの海にきたれなど世界の歌が歌われた。外国の歌は声量を必要とする曲が多いので、いよいよオペラ歌手の実力が発揮されてきた感じである。それに、観客席に下りても歌われたので、非常に身近で聴くことができた。

日本で行なわれる通常のクラシックの演奏会では少しの音を立てるのもはばかれる堅苦しい雰囲気のコンサートが多いが、この童謡コンサートでは毎回笑いをさそうようなコント(寸劇)を交えて演奏されるでの、会場が和気あいあいとした雰囲気になる。まあ、オペラ歌手は演じることはお得意なのであろうが、ピアノ伴奏の鹿野さんも引き込まれていた。もっとも、なかなかの演技で自分で楽しんでおられたのでなかろうか。また、バリトンの友清さんがクラリネットで、プログラムになかったバッハの「主よ人の望の喜びよ」をピアノ伴奏で演奏されたが、これもなかなかのものであった。

かなり昔にパリーを旅行したときグルベローヴァのリサイタルを当日券の天井桟敷席で聞いたことがあるが、その時も空いている席があると分るとチャッカリとその席で楽しむし。コントはなかったが、客席からよく声がかかり盛り上がったものである。やはりクラシックの音楽会もリラックスした楽しいもでなければならない。その意味ではこのコンサートの観客は非常に楽しまれ、ヨーロッパの雰囲気に近いものであった。

最後は友清さんがカルメンより闘牛士のうた、浅野さんが蝶々夫人よりある晴れた日にと本格的なオペラのアリアで締め括られた。ひまわりの郷は客席が400席ほどの小規模なホールであるが、それでも我々がリコーダーワークショップの卒業で演奏したとき、室内ではよく聞こえていたリコーダーの反響音が聞こえなくて戸惑ったものである。それが、オペラ歌手ともなれば狭すぎる感じである。浅野さんの高い力強い声ではホールが共鳴しているのでないかと思った。その声量の豊かさには驚愕させられた。

横の席の老夫婦が非常に満足そうな会話を交わしておられたし、終わったあと先に出て、リコーダー仲間を待っていたが、帰られる観客の皆満足そうな顔をしておられたのが印象的であった。

浅野美帆子さんは11月1日に神奈川県民ホールでドニゼッティの愛の妙薬の主役アディーナを演じられるとのこと。リコーダー仲間のお嬢さんであるので、今後ますます活躍されることを期待したい。

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