ショパン国際ピアノコンクール inASIAの様子

今年も横浜の杉田劇場で開催されたショパン国際ピアノコンクール inASIAの地方大会の、小学生が出る三日目を聴きに行った。聴いた範囲で大会の印象や様子を記載する。

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ショパン国際ピアノコンクール inASIAについて

毎年行われる幼児からプロフェッショナルまでを対象としたピアノコンクールである。inASIAとあるように参加者はアジア各国で最終審査はアジア大会である。
しかし、アジアからの参加者は少なく、実質的には日本国内のコンクールとあまり変わらない。
趣旨としては
「優美かつ華麗なショパンの音楽を通じて国際レベルの優れた演奏家を発掘・育成する」
「ポーランドとアジア各国の文化交流の架け橋となり、アジアの音楽文化発展に貢献」とある。
特長としては
■ショパンをはじめとするポーランド人作曲家による課題曲
■アジアをはじめとする海外からの参加者
■ポーランドを中心とする外国人審査員の招聘
今回のコンクールでは第 14・15・16 回ショパン国際ピアノコンクール審査委員長を努められたカトヴィツェ音楽院(シマノフスキ音楽院)教授のピオトル・パレチニ教授など10名強の外国人が分担して審査に当たらる。地方大会も必ず1人外国人が審査に加わるとのことである。
■審査員による直筆の講評
原則として地区大会の幼児・小学生・中学生ソロ部門では、審査員による講評が交付される。

コンクール全般の印象

プロフェッショナルまで出場できるコンクール

ピティナなど小学生を中心にしたコンクールは多いが、このショパンinASIAコンクールは小学生以外にも中学生からプロフェッショナルまで参加できる幅広いコンクールである。杉田劇場では小学生の審査に一日、中学生からプロフェッショナルまでの審査に二日間費やされている。このようにショパンコンクールを意識してか大人の参加者も重視したコンクールになっている。

高級感を演出

ショパンinASIAコンクールでは個人の写真入の分厚いプログラムが作成されていた。幼稚園名まで記載されていたので、若干プライバシーの問題が気になる。その以外にも審査員に外国人審査員が加わるなど高級感を出したコンクールとなっている。このため、参加料は少し高めであり、地方大会でも聴くのは有料となっている。但し、参加者には招待状が何枚か配布されているようである。

審査員の構成

当日の審査員の構成が掲示してあった。
審査委員長 :音楽評論家の 柴田龍一
外国人審査員:ショパン音楽大学(旧ワルシャワ音楽院)のブロニスワヴァ・カヴァラ教授
その他日本の審査員5名
合計7名の体制である。

課題曲の内容とレベル

コンクール名にショパンの名前がついているので、課題曲には当然ショパンの曲が多い。また、ポーランドの曲も多く採用されている。
課題曲のレベルはピティナに較べ、1ランク難しい感じである。例えば、今回3~4年でもバッハのインベンションを弾いていたが、ピティナでは5~6年の課題曲になっている。演奏時間も長めで出場者にとっては弾きごたえがあるであろう。
このため、課題曲が演奏できないレベルの子供達は当然参加しないので、出場者のレベルは高い。今回の参加者も結構弾きこなしていたが、中にはまだマスター出来なかったのかテンポが遅い子もいた。難しい曲が単に早く弾ければよいというものでないと思うが、速い曲を弾く練習にはなるであろう。

幼児部門の様子

今年度から幼児部門が新設された。
募集要項には次のように記載されいる。「幼児部門」は小学1年生以下を対象とし、小さいお子様でも取り組みやすい課題曲を多く取り入れています」
当日の演奏を聴いたが、進行上の問題からか多くの子が演奏時間が20秒ほどの曲を1曲だけ演奏して終わりなので、聴いていて非常に物足りなかった。他の部門と異なり参加者のレベル、ハードルも低い感じである。
採点という観点からすると1曲で十分なだろうが、親族からするとコンクールの演奏も晴れの舞台であり、2曲程度演奏させてあげたかった。
他の部門では地方大会でも金賞、銀賞、銅賞、奨励賞といろいろの賞が設けられているが、幼児部門は入賞だけであった。どのコンクールも幼児部門は少し扱いが異なるようだ。
今年は初年度で、手探り状態なのであろう。来年から参加者のレベルも内容も変わる可能性が大である。

演奏会の様子と表彰者数

コンクールを重視して拍手禁止

公平に採点することを意識してか演奏の前後の拍手は禁止となっている。この扱いは大人のコンクールでは経験したが、子供の参加するコンクールでは初めての経験である。
どの参加も公平に拍手を受けているため、不公平になることは殆どないと思われる。特に、小学生の低学年以下ではコンクールで人と競争するよりも舞台で演奏して皆に聴いてもらうことも重要な要素であり、拍手がないのは少し寂しいのでなかろうか。

時間厳守

スケジュールを守るためであろうか。演奏者の交代は今まで聴いたコンクールの中で一番スピーディであり、少し慌しく感じた。また、演奏の合間に会場に入るが、拍手がないのでその参加者の演奏が何時終わったのかよくわからず戸惑う。2曲目(ショパンの曲)と思われる演奏が聴こえなくなると大急ぎで入るが、もたもたしていると直ぐに次の参加者が演奏が始まるので大変である。
課題曲に比較的長い曲が多く、他のコンクールに較べ演奏時間は長めである。それでも、3,4年生部門では演奏カットを受けている参加者はいなかった。5、6年部門では少し2曲目の途中で演奏カットを受けていた。

男性参加者が多い

他のコンクールでは男性の参加者が少ないとの印象があるが、今回聴いた3~4年のところでは次から次へと男の子が出てきて、演奏していた。男の子の演奏は力強いので素人には上手に聴こえるが、入賞者はそれほどでもなかった。

採点表の内容

各先生方の好評が記入された用紙が返却されていた。ピティナの様に点数は記入されていないが、チェック項目があり、良い内容のところなのかレ点がしてあった。カヴァラ先生は英語で記入されていた。
採点がないので表彰者はミーティングで相談しながら決めているのであろうか。

表彰者の数

杉田劇場で行われた地方大会の小学生部門の申込者と表彰者数は以下の通りである。
会場によって参加者のレベルは異なると思われるが、それらを比較することは審査員も異なるので難しい。過去の実績も加味して会場毎におおよその全国大会に出場できる枠は決められているのであろう。
幼児部門  申込者 15名  入賞 6名
1~2年  申込者 30名  金賞 2名 銀賞 3名 銅賞 4名 奨励賞  6名
3~4年  申込者 53名  金賞 4名 銀賞 5名 銅賞 7名 奨励賞  12名
5~6年  申込者 26名  金賞 2名 銀賞 3名 銅賞 3名 奨励賞  5名
全国大会は入賞、金賞、銀賞、銅賞までが出場。
なお、地方大会を重複して受けることが可能なようで、地方大会の終わりに近い杉田劇場の大会では何人かの欠席があった。このため予め演奏する時間枠は示されていたが、当日は演奏する時間が早まっていた。参加者には予め連絡されるようであるが、聴きに行く時は注意したほうがよい。

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