明日への遺言の感想

バッハの音楽をバックにピカソのゲルニカの絵から始まるこの映画は終戦間際に行われたアメリカの無差別爆撃を題材にした映画である。搭乗員を処刑したことは犯罪行為であると主張するアメリカに対し、無差別爆撃こそ犯罪であると主張し部下を守り抜いた東海軍司令官・岡田資中将の法廷闘争の実話を題材にした映画である。

原作は大岡昇平の「ながい旅」。映画の半分は法廷の場面であり、岡田被告、証言者、弁護人や検事など法廷のやりとりが主な内容となる。法廷闘争であるため、ある意味では文章だけの小説に近いものがある。中には趣旨がよく読み取れない発言もあり、ある程度法律的な感覚が必要かもしれない。残りは岡田資中将の家族と部下のと触れ合いが映像化されているが、捕らわれの身である岡田中将の近辺に限られるため、簡潔な映像となっている。

このように非常に地味な映画ではあるが、法廷場面の会話だけで、心に迫るものがある。金をかけなくても、内容がしっかりしていれば、人を感動させられることを証明した典型的な映画であるような気がする。また、上に立つ者の責任の取り方を考えさせてくれる映画でもある。昨今の責任を逃れようとする政府や官僚の姿を見ていると一度見せたい気がする。

Dsaiban0020 B・C級戦犯の軍事裁判は横浜地方裁判所で行われた。現在は改築されているが、低層階は当時の遺構が残されている。また、陪審法廷も桐蔭学園に移築され公開されている。

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