日本演奏家コンクール本選の感想

夏休みも終わに近い8月30日、31日に、第12回日本演奏家コンクールの本選の弦楽器部門、声楽部門及びピアノ部門の中学、一般Aの部門の演奏会がみなとみない小ホールで開催されたので、聴きに行った。今年は弦楽器部門の大半と声楽部門の一部を聴いたが、いずれもレベルの高い演奏で十分に楽しめた。

会場の横浜みなとみらい小ホールは大ホールの入口の広場のところをエレベータで5階まで上がり、入る座席数440席のホールである。昼間は大ホールに入る観客がいないので、人の流れは殆どなく、多少入りづらい面はある。しかし、小ホールの広場に上がるとソファーで数人は待機しているので、あまり気を使うことはない。一般の観客は1分程度の演奏の合間に前のドアから要領よく入り、聴くことになる。今回の本選は特に時間が窮屈なのか前の人の挨拶が終わると直ぐに次の人が入っていた。

観客数は時間帯や部門でばらつきがあるが、例年と同じように平均的に30名前後の人が聴いていた。特に演奏が終わった人は同じ部門の他の人の演奏を聴いていく人が多く、部門の最後の方が多少は観客が多いような気がした。また、今年は後部座席の前の方も一般席となっていたので、その場所で聴く人が多いようであった。

8月30日は弦楽器部門の本選が行われ、小学校低学年で7名、大学で7名、高校で12名が演奏した。午後3時からは声楽部門の本選が集中的に行われ、高校で6名、アマチュアで5名、一般Bで4名、大学で11名、一般Aで8名が参加した。

8月31日はピアノ部門の本選の続きが行われ、中学生で15名、一般で13名が演奏した。ピアノの他の部門は8月16日と20日にフィリアホールで行われ、既に終了している。午後4時からは弦楽器部門の残りの部門の審査が行われ、小学校高学年で11名、中学校で8名、一般Aで6名が演奏した。また、高校及び大学のコントラバス、チェロの審査は31日にまとめて行われていた。

弦楽器部門は小学校低学年を除き、殆ど聴いたが、審査員が判断するような高度な技量は別にして、一般の人を楽しませる程度の技量や曲の表情は小学校の高学年にもなると既に身に付けており、どの演奏も楽しめた。

さすがに、中学生までは力のない演奏も見られるが、実力者になると判別がし難くなる。中には同じ曲ラベルのツィガーヌを中学生、高校生、大学生が演奏したが、素人では演奏の良し悪しを付けられるものではない。特に女性は中学生も演奏会用の服装を着ていたので、顔立ちに幼さが残るかどうかで、外見からも分かり難い。その点、外見は男性の方が部門は判別しやすい。全般的に、あま、心持、大学生の方が力強く、難解ではないかと思われる曲を選択していたようである。その分、素人には大学部門は取っ付き難い面はあるが、コンテストであるから仕方がないのか。

横浜の2次予選も聴きにいったので、本選の演奏曲目と比較してみたが、中学部門で2曲同じ曲がったが、他の部門は同じ曲は見つからなかった。横浜の予選に出場した人が何名、本選に出たかは不明であるが、殆ど人は予選と本選で曲目を分けているのでないかと思われた。

声楽部門は高校とアマチュア部門を聴いた。本選出場者は6名、内1名が男性である。高校生は殆どが制服を着ての登場であり、これで学校の区別ができる感じである。横浜の予選の時も見たが見覚えのある生徒もおり、本選に残ったのは半数というところであろうか。予選のとき、男性がソプラノを歌うカウンターテナーの生徒が出場し驚いたが、残念ながら落選したようである。難しい歌唱法ではあるが、純粋に女性のソプラノと較べるとやはり劣るのであろう。

高校生は明らかに大学生とは声量で見劣りするところがある。それを無理して発声していると感じられるところがあったが、音楽的にはマイナスであろう。やはり、選曲や発声は自分の力量を考え無理のない範囲、余裕のある範囲で表情を付けて歌うのが音楽的には優れていると思った。

アマチュア部門の5名の歌を聴いたが、参加番号が年齢順に割り振られているのか、最後は80歳近くの方であった。当然、このような人はコンクールに出場することが、生きがいになっているのであろう。どの高齢者も力を入れたときの声量は驚くべきものがあるが、普通に歌っているときはやはり現役生より、声量が弱弱しい感じがする。高齢者は声量で争うのではなく、歌の持つ叙情性など表現でカバーすれば、年配者もそれなりに面白いのでないかと思った。

コンクールであり、技量を見せるため、難解な曲に挑戦することは止むを得ない面はあるが、観客を楽しませる点から考えると難解な曲を不完全に演奏するよりは、易しい曲を音楽性豊かに演奏した方がベターであると思えた。

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