映画次郎長三国志の感想

次郎長三国志は昔なつかしチャンバラ映画の代表的な題名である。この映画も内容はともかくチャンバラがどのように描かれるのか興味があり、見に行った。結論から言うとチャンバラ映画としては期待はずれであった。

原作は村上元三「次郎長三国志」、監督は津川雅彦(マキノ雅彦)である。津川雅彦の叔父さんが時代劇のよき時代に「次郎長三国志」を撮って大成功を収めたマキノ雅弘であり、時代劇の復活を狙ったのかもしれない。この映画ではお蝶との祝言からお蝶の死、そして一家の裏切り者の久六への殴り込みまで、一代目お蝶が絡む部分を切り出して描かれているが、2時間では前後関係が分り難く、映画の中に入り込めない。消化不足気味である。

出演者は豪華であり、有名な出演者のカットは丁寧に描いている。この点は昔の正月映画などのオールスター映画のようである。この種の映画はストリーより、出演者を見せることに重点に置かれ、ストリーが切り貼りになり、面白くないのが通常である。

この映画は一代目お蝶の死をクライマックスに描かれているので、どちらかというとチャンバラより人情ドラマ。子分の描き方などは喜劇的である。そして、肝心のチャンバラは最後の方に少し、大写しで、迫力のある映像ではあるが、切り合いの内容がよく分らない。殺陣と言うには程遠い。これが、現在のチャンバラ映画か。

次郎長の面白さは水滸伝のように強い子分が集まって来る過程とべらぼうに強い集団の活躍にあるが、その点が描かれていない。また、小政や森の石松など次郎長の子分は皆強いとのイメージが出来上がっているが、彼らを単独で描いた場面ではむしろ弱い。但し、集団になるとべらぼうに強くなる。大勢の捕り方の中を少人数で切り開いたり、鉄砲一つで大勢の捕り方が引き上げたり、どうも強さの感覚が良く分らない。

昔の感覚ではよく分らない映画である。現在風にアレンジしたのであろうが、現代の若者はチャンバラ映画は見ないし、見に来ている人は老人ばかり、ターゲットとしている観客を見誤っているのでないだろうか。あまり現代化するよりは、素直に昔風のチャンバラ映画を物語の最初から数回に分けて、クライマックスに向けて盛り上げて行くように描けばよかったのでないだろうか。

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