クラリネットのマウスピース

マウスピースはリードについで、クラリネットの音質や吹き心地を大きく左右するものである。マウスピースを替えると同じリードでも音色や吹き心地が変わってくる。ここでは何が影響しているのか、私なりに考えた。

私の持っているマウスピース

私はどうも道具に興味が湧く癖があって、マウスピースについても替えるとどの様な吹き心地になるのかを体験したくなった。このため、オークションで安く出品されていたM15とB45を落札した。多少マイナーなマウスピースであるが、いずれも個性あるマウスピースで吹き心地の違いを体感するには十分である。それとクラリネットのヤマハの450とクランポンのRCを落札したときについていた5RV2本、合計4つのマウスピースを持っている。

吹き易さ

持っているマウスピースで吹き易さの順に並べると、楽な方から M15、5RV、B45の順である。リードで1ランク違うという感じである。

このことはバンドレンが推奨するリードの番手によっても知ることができる。リードのV12を基準して以下のようになってる。
B45は  3 → 3 1/2+
5RVは  3 1/2 → 4
M15は  3 1/2+ → 5

これはB45でV12にリードで硬さが3で合う人が、5RVに変えた場合はリードの硬さを3 1/2に変えた方がベターですよという意味であり、M15を使用する場合は更に硬い3 1/2+が適切ですよという意味である。

吹く心地が変化する原因

バンドレンの資料によるとマウスピースの構造は以下の通りである。

マウスピースの構造

マウスピースの構造

マウスピースを性格を決める大きな要素は以下の二つである。

ティップオープニング:リードの先端からマウスピースの先端までの幅
フェイシング:リードの先端から、マウスピースとリードが接する点までの長さ

この中で吹き易さはティップオープニングの幅が大きく影響している。この幅が狭いほど吹き易く、広いほど吹く難い。

音色についてはバンドレンの資料では以下のように説明されている。

・せまいものは、少ない息でも楽に吹けて、明るい音がします。
・広いものは、たくさんの息を使いますが、豊かで深い音がします。

リードが振動する理由

どうしてリードが振動するのか。私の考える理由は以下の通りである。単独のリードを吹いても振動はしない。しかし、マウスピースに付けて吹くと振動しだす。これはマウスピースに付いている空気の通り道が影響している。
リードをマウスピースに付けて息を吹き込むと、息はリードとマウスピースの間に流れ、クラリネット本体に送られる。するとこの時、リードの外側と内側で空気の流れる勢いが異なっている。この状態になるとベルヌーイの定理によりリードは空気がよく流れているマウスピース側に引き寄せられる。
これが強くなると、リードがマウスピースに完全に密着してしまう。しかし、密着してしまうと、空気が流れなくなり、同時に引き寄せられていた力がなくなり、リードは反発力によりマウスピースから離れる。完全に蜜着していなくても引き寄せる力よりリードの元に戻る反発力が大きくなれば、リードは戻るかもしれない。吹き続けると、着いたり離れたりを繰返し、リードが振動し始める。

ティップオープニングが広いマウスピースだと息を多く入れなければならないし、リードがマウスピースに蜜着するまでの曲がりが大きくなり、より大きな吸引力が必要である。疲れるのは当然である。

マウスピースの咥え方が上手くなり、ティップオープニングの間にだけ効率よく息を吹き込めるよになれば少しは楽になるのかもしれない。

フェイシングの影響

フェイシングが長さが異なると何が起こるのか。リードの振動する支点が異なるのである。すると、当然、リードの振動する部分の長さが変わるし、リードの振動する支点の厚さも変化する。これが音色に影響しているのでなかろうか。

音質の変化はバンドレンの資料では以下のように説明されている。

・短いものは、コントロールしやすく、音の立ちがクリアになります。
・長いものは、コントロールは難しくなりますが音のニュアンスがつけやすく、丸みのある豊かな音になります。

私の使い方

リードを長く使っていると、振動している部分はくたびれ張りがなくなってくるが、振動している支点を変えると、リードの振動する支点の位置が変わってくるので、張りも少し戻ってくる。フェイシングが異なるマウスピースを使用するとよく振動する部分も変化するので、リードが長持ちするのでないかと思っている。

私も場合はせっかく買ったマウスピースを万遍なく使うため、まだ硬くて吹き難いと思うリードはM15で吹き、手頃な硬さになってきたリードは5RVで、柔らかくなり過ぎたと思うリードはB45で吹いている。

どのマウスピースが良いかと聴かれると難しい問題である。M15は吹き易いが、リードの組み合わせでB45がいい音色だと思うときもある。結局はマウスピースとリードの硬さ状態との相性の問題だと思う。

マウスピースを選ぶときも、いろいろなリード、いろいろな硬さのリードで吹き較べなければ正確な評価はできないのでないだろうか。

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