レクチャー「ピアノの歴史」5の感想

6月9日横浜みなとみらい小ホールでレクチャーコンサートシリーズ「ピアノの歴史」の第5回目があった。今回は「シューベルトの二つのまなざし」を表題にしてレクチャーとシューベルトのピアノ曲の演奏があった。講師は東京音楽大学の村田千尋さん、演奏は伊藤深雪と崎川晶子さん、ソプラノの松堂久美恵さんであった。なお、今回は第2期の最初のレクチャーということで、渡辺順生さんからピアノのアクション機構などの技術的変遷の説明があった。また、休憩時間には古い時代のピアノが3台展示され、腕に自信のある人達が自由に弾き、その音色に楽しんでいた。

シューベルトの時代はピアノ

ピアノのアクション機構はテコの原理を利用してハンマーで弦を打っのであるが、一度打ったあと、ハンマーが外れ、弦を響かせている仕組み、ハンマーが跳ね返って弦を二度打ちしない仕組み、鍵盤を離したときダンパーで音を止める仕組みなどを如何に行うかがポイントとなる。

ピアノはイギリス、ウィーン、フランスで独自のアクション機構が発達していった。例えば、ウィーンでは弱音の美しさを損なうことなく、音域の拡大、音量の増加を目指している。作曲家が活躍した場所や時代によって使用していたピアノが異なり、音色や音量が異なっていたのであろう。

当日は現在のピアノを含め3台の音較べが行われたが、3台を同じところで較べるとその違いがよく分かる。古いピアノは木の枠に弦が張られているので、柔らかい音、ギターに近い音になるのであろうか。一番の違いは音量で昔のピアノは現在のピアノの数倍弱い音量しかでなかった。

シューベルトの時代はピアノの発達が一段落した安定期で、研究資料が少ないとのことであった。そのため、絵画やスケッチも参考にして、シューベルトが使用していたピアノの種類を特定して行くとのこと。

また、その絵画が描かれた時期により、その絵画の正確さを判断するという村田さんの話は参考になった。

表題の「シューベルトの二つのまなざし」というのはサロンなどで見せる親しげな「まなざし」と自分の内面を見つめたシリアスな「まなざし」とのこと、作品もこれに沿って演奏された。シューベルトを囲んで実施されるサロン「シューベルティアーデ」のことについてはNHKのBSで放送している「ぴあのピア」でも取り上げられていたので、よく理解できた。

一番面白かったのは、シューベルトはピアノが下手だったという話、3連音が上手く弾けなかったとのことであるが、上手く弾けなくても、大作曲家になれると言うことか。

演奏はシューベルトの時代のピアノを使用して演奏されたが、ソプラノの伴奏は音量的にも近いため、現在のピアノより、融合しているのでないかと思った。

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