レクチャー「ピアノの歴史」7の感想

10月27日横浜みなとみらい小ホールでレクチャーコンサートシリーズ「ピアノの歴史」の第7回目があった。今回は「巨匠の時代、ヴィルトゥオーゾの軌跡」を表題にしてレクチャーとピアノ演奏があった。講師は桐朋学園大学教授の大崎滋生さん、ピアノ演奏は野平一郎さんであった。使用ピアノはヨハン・バプテスト・ショトライヒャーである。

ヴィルトゥオーゾということで、リストが取り上げられるのかと思っていたが、リストは長生きしたが、19世紀後半はヴィルトゥオーゾと言われるほどの活動はなく、時代的にはショパンと同世代とみなされることから、アントン・ルビンシテイン、ジョヴァンニ・ズカンバーティ、ジョヴァンニ・ズカンバーティの3名が取り上げられた。

ドイツで歴史に名を残すようなピアノ音楽の大家はリスト以降、あまり思いつかないが、作曲家がいなかったわけでないとのこと。むしろ、ピアノ・コンチェルトがコンサートの花形になり、多くの曲が作られ、作曲者が自ら演奏したようである。それが評判を取ると、楽譜の売れ行きやレッスン料が跳ね上がったとのこと。

この種の音楽家の作品として700曲ほどリストアップできるとのこと。しかし、現在、コンサートで演奏されるのは20曲ほどである。ただし、現在はCDが手軽に作れることから200曲程度はCD化されているとのことであった。

下手でも何とか弾ける曲の楽譜がよく売れることから難しい曲は少なく、特徴ある曲があまりなかったようである。特徴がなければ、やはり他の人が演奏会で弾くとなるとよく知られいる大家の作品ということになり、並みの作品は後世に生き残これなかったようである。まお、現在の流行歌やポップス音楽のような位置付けだったのかも。大崎さんはこれらの曲を集め研究されているようである。

当日はピアノソナタなどの大曲が演奏された。どの曲も日本での初演に近いもののようであり、野平さんがA3にコピーした楽譜を見ながら演奏されていた。その楽譜を助手が1枚1枚取り除いていた。いくら名手の野平さんでもソナタを初見で弾くのは大変であろう。憶えるのにそれなりに練習されたことと思う、ご苦労さんでした。

曲そのもは部分的にはベートーベンやシューマンなどの曲と大差がないと思うが、特に人を引き付けるような旋律がある訳でなく、曲全体としても平板であり、聴いていると飽きてくる。これでは生き残るのは難しいと感じた。繰り返し聴いていると親しみが沸いてくるのかもしれないが、有名でない作曲家には無理な注文である。3人の中では、イタリヤ系で曲想が耳新しいということもあり、ジョヴァンニ・ズカンバーティの作品が一番良かった。次に、ジョヴァンニ・ズカンバーティ、最後がアントン・ルビンシテインというところか。

当日はブラームス博物館が所有していたウイーン製のショトライヒャーが使用された。ブラームスが弾いていたピアノは戦災で焼失してしまったが、それと同じ種類のピアノとのこと、現在は日本の個人が所有されている。ベートーベンもショトライヒャーを使用していたが、今回のピアノは半世紀後のショトライヒャーであり、85鍵、半鉄骨製フレームの使用と現在のピアノに近くなっている。当日は演奏中に白鍵の1枚が剥がれるハプニングがあり、休憩中に糊で貼り付けていた。なかなかメンテナンスが大変のようである。

大崎教授は西欧音楽史の研究者であり、学問的な詳しい資料が配布されたが、前半は資料を読んでいるような抑揚のない説明で分かり難かった。資料の中にポイントだけを重点的に説明した方が理解し易かったのではないだろうか。資料は時間があるときにゆっくりと理解しながら読んでみたい。

今回のレクチャーは聞きなれない作曲家の作品で、ピアノ曲が数多く存在することを知り、それなりに有意義であった。個人的には現在リコーダーに凝っており、リコーダーのCDや曲を集めたり、整理してみたいものである。

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