レクチャー「ピアノの歴史」の感想

初回ということもあり、ピアノが発明された当時の代表的な楽器であるチェンバロとクラヴィコードのレプリカが展示され、その音を身近に聞くことができた。クラヴィコードの名前はよく見掛けるが実際に目にするのは始めてである。クラヴィコードも板片(タンジェント)で弦を打つのであるが、スピードがないため、音量はチェンバロと比べても数倍小さく、小ホールでも耳を澄まさないと聞こえない程度であった。また、鍵盤を押したままにすると板片も弦に押し付けられた状態を保つため、鍵盤を押す力を揺らすことによってビブラートのような効果が得られることが分かった。

イタリアのクリストファオリが考えたピアノは、「てこ」の原理を利用してハンマを強く叩きつける工夫をしたこと、弦を振動させている状態とダンパーが下がり止音の状態をキー操作で出来るようにしたことである。今回のレクチャでは久保田チェンバロ工房が作ったレプリカで演奏されたが、音量はチェンバロなみに改良されていた。音質はチェンバロの弦を弾くときでる高音をカットしたような少しまろやかな響きである。また、鍵盤を叩く力の強弱によって音量もコントロールできるようにできるようになった。しかし、現在のピアノのように音に力強さは感じず、少し聞いていると眠くなった。

ドイツでは打楽器であったダルシマーに鍵盤を取り付ける試みから始まり、ジルバーマンによってクリストファオリが考えたアクションを模倣したピアノフォルテが作られた。この楽器の音は聞くことは出来なかったが、クリストファオリが考案したピアノに近いものと想像される。また、演奏中はダンパー操作をすることは出来ないが、あらかじめ開放状態のままセットしておくことは可能であるとのことで、その状態での演奏もされた。弦が共鳴した状態になるのか、残響が強い独得の響きになり、興味深かった。曲を選べばこの状態でも演奏可能であろう。

今回のレクチャで一番の収穫はヘンデルやバッハがどのような楽器で作曲や練習していたかなどを実際の音で体感できたことである。今後、彼らの音楽を聞く時は少し意識が変わるかもしれない。

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